ザクセン高級時計産業の礎を築き、その発展に尽くした。

A.ランゲ&ゾーネにとって二重の意味で記念すべき年。ザクセン高級時計産業を興して175年、そして勇気ある会社再設立から30年という節目の年なのだ。www.jpan007.com

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ザクセンに高級時計産業を興して175年、アニバーサリーエディション“F. A.ランゲへのオマージュ”を発表

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A.ランゲ&ゾーネは、1815 ファミリーの格別な3モデルに“F. A.ランゲへのオマージュ”の名を冠した新作を上海で開催されるWatches & Wondersで発表した。この三つの限定エディションでは、フェルディナント・アドルフ・ランゲの功績を讃え、ケース素材としてランゲが専用使用権を有するハニーゴールドを採用し、ムーブメントおよびダイヤルに特別な仕上げ装飾を施している。F. A.ランゲは175年前に工房を設立し、ザクセン高級時計産業の礎を築き、その発展に尽くした。


2020年発表のアニバーサリーエディション“F. A.ランゲへのオマージュ”(左から):1815フラッハ・ハニーゴールド、1815ラトラパント・ハニーゴールド、トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド



2020年は、A.ランゲ&ゾーネにとって二重の意味で記念すべき年。ザクセン高級時計産業を興して175年、そして勇気ある会社再設立から30年という節目の年なのだ。フェルディナント・アドルフ・ランゲは、1845年12月7日にドイツ・ザクセンの山間の町グラスヒュッテに懐中時計工房を設立した。これが、後の時計産業立地グラスヒュッテの原点となった。15人の見習工と始めた小さな時計工房は、ドイツ国外にも名を馳せるマニュファクチュールへと成長。F.A. ランゲは当時としては近代的な分業制を時計製作に導入し、育て上げた時計師には独立して起業することを勧めた。

彼は、生まれ故郷であるザクセンで世界最高の時計を作るという目標を胸に、時計製作にメートル法を導入し、革新的な計器や工具を開発するなど、科学と工芸技術を近代的な製法に巧みに取り入れる。さらに、多数の優れた機構と時計技法を開発して、多くの特許を申請している。その代表的な例は4分の3プレート。この地板は、1990年に会社が再出発して以来ずっとA.ランゲ&ゾーネの時計ならではの特徴となっている。



決して立ち止まらない ― 伝統は時を超え国境を越える

A.ランゲ&ゾーネの時計師たちは、ブランドの偉大な伝統に刺激を受け、革新的アイデアと秀でた工芸技能で高級時計産業をさらに発展させるべく努力している。「決して立ち止まらない」という理念は、この度発表される“F. A.ランゲへのオマージュ”の名を冠するアニバーサリーエディションにも反映されている。この三つの限定モデルでは、フェルディナント・アドルフ・ランゲの功績を讃え、ケース素材としてランゲが専用使用権を有するハニーゴールドを採用するとともに、ムーブメントに特別な仕上げ装飾を施し、ダイヤルデザインにも趣向を凝らした。これらの伝統要素と革新的な工芸技術が見事に融合した時計は、ザクセン時計産業の原点を今に伝える。

A.ランゲ&ゾーネは、この特別エディションを2020年9月9日から13日まで上海で初開催されるWatches & Wondersで発表。この地は、A.ランゲ&ゾーネが中国におけるマーケティング強化のため2008年に世界で2店目のブティックをオープンした、ゆかりのある街である。A.ランゲ&ゾーネは販売網を拡大し続けており、現在では中国と香港を合わせて20店舗以上のブティックと販売代理店のネットワークを構築している。その目覚ましい発展についてランゲCEOヴィルヘルム・シュミットは、「1年間に数千本だけ製作するマニュファクチュールにとっては、大成功と胸をはることのできる成果だと思います。中国では、当ブランドの時計に対する評価はますます高くなっており、特に若い世代にも好評で、私たちも大変喜んでいます。中国市場には大きな可能性があり、この市場におけるA.ランゲ&ゾーネの地位をさらに高めることができると確信しています」と述べている。

創業者から受け継いだ伝統 ― 2020年アニバーサリーエディション“F. A.ランゲへのオマージュ”

1815 ファミリーの名前は、フェルディナント・アドルフ・ランゲの誕生年にちなんでいる。1815ファミリーの時計は伝統技法に発想を得て設計されており、その意味で特にA.ランゲ&ゾーネの伝統的側面を体現するプロダクトファミリー。伝統的なデザインは、懐中時計を製作した当時の精神を現在の機械式時計に反映したものだ。上品な慎ましさと高精度は、フェルディナント・アドルフ・ランゲの価値観を物語る。三つの限定モデルに共通する特徴は、革新的なケース素材ハニーゴールド。この素材には、時計製作に冶金学の知識を応用するというランゲ工房の科学的側面が垣間見える。そして3モデルのムーブメントにはいずれも、表面に粒状感を持たせた洋銀製プレート、エングレービングにブラックロディウム仕上げを施したテンプ受けが組み込まれており、どの時計にもこのエディションのためにデザインされたダイヤルが収められています。





1815 フラッハ・ハニーゴールド“F. A.ランゲへのオマージュ”
ザクセン高級時計産業誕生175周年を記念する限定エディション

この流行に左右されない優美さが漂う二針時計は、ケース直径38ミリで厚みはわずか6.3ミリ。手作業で丹念にエナメル仕上げを施したダイヤルにアラビア数字とレイルウェイタイプの分目盛りをあしらったデザインは、往年のF.A. ランゲ作の懐中時計に倣ったものだ。このモデルは175本の限定版。ランゲが専用使用権を有する素材ハニーゴールド製ケースに、ホワイトエナメル仕上げのダイヤルと特別な装飾模様で仕上げたムーブメントを収めている。


独特の組み合わせ:エナメル仕上げのダイヤルを収めた1815フラッハ・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ”



1845年12月7日は、山間の小さな町グラスヒュッテの歴史を大きく変えることになった日。この日、30歳のフェルディナント・アドルフ・ランゲが、ドレスデン南方のかつて鉱業で繁栄したこの地に初めての懐中時計工房を開業し、ザクセン高級時計産業の礎を築いたのだ。それを記念して、A.ランゲ&ゾーネはモデル名に“F. A.ランゲへのオマージュ”の名を持つ1815ラトラパント・ハニーゴールド、トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド、そして1815フラッハ・ハニーゴールドの3モデルを限定エディションとして展開する。これら3モデルはいずれも、フェルディナント・アドルフ・ランゲの誕生年にちなんで名付けられた1815 ファミリーのメンバーである。

多数の伝統要素を取り入れた 1815 フラッハ・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ”は、かつてランゲが名声を誇った懐中時計を想起させる。この時計はそれだけでなく、フェルディナント・アドルフ・ランゲがデザインと開発において常に心がけていた 2 点、すなわち完璧さと明快さも持ち合わせている。

清楚さに気品があふれるデザイン

直径38ミリ、高さわずか6.3ミリのケースは、針およびバックルと同じように、A.ランゲ&ゾーネが専用使用権を有するハニーゴールド製。この素材は、特殊な配合と熱処理によって他の18K金合金よりも硬く傷つきにくい性質を有す。ハニーゴールドが初めて採用されたのは、2010年に発表されたアニバーサリーエディション “165周年記念—F. A.ランゲへのオマージュ”の3モデルだった。この金合金の特徴は温かみのある光沢で、これまでに発表されたハニーゴールド仕様の時計は8本の限定エディシ ョンのみ。

このまれに見るケースに、艶やかなホワイトエナメルで仕上げたツーパーツ構成のダイヤルが映えます。明るい地色に、ダークグレーでプリントされたアラビア数字とおなじみの線路をイメージしたレイルウェイモチーフの分目盛りがくっきりと浮かび上がる。

最高水準の技能で仕上げたムーブメント

シンプルかつ完全無欠 — 1815 フラッハ・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ”の自社製キャリバーL093.1 は、ランゲの理念を現代風に解釈したムーブメント。厚さわずか 2.9 ミリという手巻きムーブメントが 72 時間にもおよぶパワーリザーブを蓄えるという事実は、薄型設計と大きな動力が対立しないことを示している。ランゲ自社製フリースプラング式ヒゲゼンマイと昔ながらのチラネジテンプの連係により、毎時 21,600 振動で最善の歩度を約束する。


キャリバーL093.1:ムーブメントの特徴は、粒状感を持たせた表面仕上げの4分の3プレート、円模様で仕上げた巻上げ輪列およびブラックロディウム仕上げのエングレービング



167個の部品を手作業で仕上げ組み立てたムーブメントは、フェルディナント・アドルフ・ランゲが実践した技法へのオマージュ。洋銀製の4分の3プレートの表面は、A.ランゲ&ゾーネの定番モデルに通常用いられるグラスヒュッテストライプとは異なり、粒状感を持たせて仕上げている。この表面仕上げは、往年のランゲ製懐中時計によく見られる技法。丸穴車と角穴車は輪列受けに見えるように取り付けられ、非の打ち所のない円模様の装飾研磨で仕上げられている。手焼きによって青く染められた3個のビスで固定されたゴールドシャトンは、動力が香箱から調速機へ伝わってゆく道筋を示す。目には見えない品質の証しの一つは、ムーブメントの手作業による二度組みで、それによって、機械的にも見た目の美しさも完璧に仕上げることができるのだ。

テンプ受けの手彫りのエングレービングは、ランゲ自社製キャリバー一つひとつに刻まれた銘のようなもので、その花模様を描く極細の線を、地板の刻印と同じように、ブラックロディウム加工で仕上げた。ガルバニックコーティング層の濃い色調は、ダイヤルにプリントされたグレーの文字と違和感なく調和するとともに、エングレービングを立体的に浮かび上がらせる。





1815ラトラパント・ハニーゴールド“F. A.ランゲへのオマージュ”
ザクセン高級時計産業誕生175周年を記念する限定エディション

新たに開発された1815ラトラパント・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ”は、3モデルで展開するアニバーサリーコレクションの一つ。このラトラパント・クロノグラフは製作数100本限定エディションで、A.ランゲ&ゾーネ・ブティックでのみ販売。この時計の主役は、モデル名になっている複雑機構。ハニーゴールドケースにブラックのダイヤルを収め、ムーブメントには特別モデルならではの仕上げ装飾が施されている。


新しい組合せ:ハニーゴールドケースとブラックのダイヤル



フェルディナント・アドルフ・ランゲが1845年12月7日に設立した最初の懐中時計工房は、類例がないほどのサクセスストーリーの原点となった。起業した当時はささやかな工房だったが、19世紀の隆盛期を経て、フェルディナント・アドルフ・ランゲの曾孫ウォルター・ランゲがドイツ再統一と同時にブランドを再建するまで、時計師一族ランゲ家は、4世代以上の長きにわたってザクセン高級時計産業に多大な影響を与えてきた。

多数の伝統要素を取り入れた 1815 フラッハ・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ”は、かつてランゲが名声を誇った懐中時計を想起させる。この時計はそれだけでなく、フェルディナント・アドルフ・ランゲがデザインと開発において常に心がけていた 2 点、すなわち完璧さと明快さも持ち合わせている。

ザクセンの地に高級時計産業が誕生してから175周年を記念し、A.ランゲ&ゾーネは1815 ファミリーの3モデル、1815ラトラパント・ハニーゴールド、1815フラッハ・ハニーゴールド、トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールドを限定エディションとして製作。これら3モデルはいずれも、フェルディナント・アドルフ・ランゲの誕生年にちなんで名付けられた1815 ファミリーのメンバー。このアニバーサリーコレクションのモデル名に付けた“F. A.ランゲへのオマージュ”は、創業者への敬意を表している。

類い希なカラーコンビネーション

1815ラトラパント・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ”のハニーゴールドケースの直径は41.2ミリ。そのA.ランゲ&ゾーネのためだけに開発されたケース素材の特徴は、特に高い硬度と温かみのある光沢。この度、ハニーゴールドを初めてシルバー無垢製のブラックダイヤルと組み合わせ、現代的な魅力を醸し出している。

格別な複雑機構

この時計は、A.ランゲ&ゾーネのラトラパント・クロノグラフとしては6作目だが、この複雑機構だけに絞り込んだモデルはこれが初めて。このメカニズムは、高級時計製作の世界で最も複雑な機能に数えられる。ダイヤルの中央から伸びる上下に重なったクロノグラフ秒針とラトラパント秒針は、1分までのラップタイムを何度でも測ることができる。ラトラパント秒針の下にあるクロノグラフ秒針は、ピンクゴールドプレート仕上げのスチール製で、ロディウム仕上げのスチール製ラトラパント秒針と重なって動く。2時位置のボタンを押すと、この2本の針が同時にスタート。ラトラパント秒針は、クロノグラフ秒針とは別に一旦停止した後、再びクロノグラフ秒針に追いついて一緒に動くことができる。このプロセスにちなんでフランス語の「追いつく」を意味する動詞rattrapareをもとに、rattrapante(ラトラパント)という名前が付けられた。この機能の操作は、10時位置にあるボタンで行い、計時中にこのボタンを押すと、クロノグラフ秒針は動き続けますがラトラパント秒針が停止するので、ラップタイムを読み取ることができる。もう一度ボタンを押すと、ラトラパント秒針がクロノグラフ秒針に追いついて、再び上下に重なったまま動く。この手順で、何度でもラップタイムを計ることができる。

新しい自社製キャリバー

複雑なラトラパント・クロノグラフ機構は、新たに開発された手巻きキャリバーL101.2のムーブメント側にある。タイムおよびラップタイム計測を制御するために、2個のコラムホイールを用いる伝統的かつ高精度な方式を採用した。サファイアクリスタルのシースルーバックから、ラップタイムを読み取れるようにラトラパント秒針を停止位置に固定するラトラパント・クランプとコラムホイールによる精密な切替えプロセスをつぶさに見ることができる。ゼンマイを完全に巻き上げると、香箱に58時間のパワーリザーブが蓄えられる。ランゲ自社製フリースプラング式ヒゲゼンマイは、同じく自社製のチラネジテンプと連係して、毎時21,600振動(3ヘルツ)で安定した歩度を約束する。


キャリバーL101.2:表面に粒状感のある受けとブラックロディウム仕上げのエングレービングがアニバーサリーエディションの特徴



アニバーサリーエディションのための仕上げ装飾

365個の部品を手作業で組み立てたムーブメントには、フェルディナント・アドルフ・ランゲが自身の手によるムーブメントを見まがいようのないものにしようと考案した基準に準拠して仕上げ装飾を施している。洋銀製の受け部品の粒状感を持たせた表面仕上げは、1Aクオリティーと呼ばれる最高品質を誇った往年のランゲ製懐中時計を思い起こさせる。それらの懐中時計は、特にゴールドのチラネジが付いているテンプ、受け石を固定するビス留め式ゴールドシャトン、そしてハンドエングレービング入りテンプ受けを特徴としていた。これらの伝統ある品質の証しは、現在製作されるA.ランゲ&ゾーネの多数の時計にも見ることができる。

ラトラパント・クロノグラフのレバー、バネおよび裏押さえなどの可動部品の上側を線彫り模様で飾る一方、周囲の面取り部分を光沢研磨している。角度の鋭い内側隅の面取り部分の研磨は、特に難しい作業。この研磨は、このようなムーブメントにどれほど細かな手作業と多大な労力がかけられているかを如実に物語ってくれる。このような完成度の高い仕上げは、鋭利な特殊工具を使いこなせる経験豊かな仕上げ職人だからこそ成せる技なのだ。最も気を遣うのは、表面に粒状感を持たせた受け部品の組立工程。なぜなら、この表面は極小さな傷が付いただけでも台無しになってしまうからである。

テンプ受けとクロノグラフ受けに手彫りで描いたエングレービング模様の繊細な線と受けに刻まれた文字には、ブラックロディウム加工を施している。ガルバニックコーティングのこの深い色調により、エングレービングに立体感が生まれ、伝統の仕上げ技法を先端技術で再現するための工夫にも、A.ランゲ&ゾーネの「決して立ち止まらない」という決意が表れている。





トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド“F. A.ランゲへのオマージュ”
ザクセン高級時計産業誕生175周年を記念する限定エディション

このトゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールドも、私たちの高級時計製作技法を発展させ続けようとする意欲を物語る。この時計はアニバーサリーエディションのうち最も複雑なモデルだけに、製作数もわずか50本に限定されている。搭載されている五つの複雑機構のうちトゥールビヨンとチェーンフュジー機構は、歩度の安定性を高めるためだけに取り付けられている。他の三つの複雑機構、すなわちクロノグラフ、ラトラパントおよび永久カレンダーを完璧に連係させるのは至難の業。A.ランゲ&ゾーネはこのモデルで、まったく新しいダイヤルデザインに挑んだ。ハニーゴールドにブラックロディウム加工を施し、数字と目盛りをレリーフ彫りにして表面から立体的に浮かび上がらせている。

この特別モデルほど、A.ランゲ&ゾーネが伝統の時計技法をさらに発展させ、高級時計業界に幾度となく新たな刺激を与えてきたことを明確に物語る時計はないと言っても過言ではないだろう。2017年に発表されたトゥールボグラフ・パーペチュアル “プール・ル・メリット”は、5種類の複雑機構を同時に搭載した他に例のない技術のマスターピース。そしてこの度、フェルディナント・アドルフ・ランゲの功績を称えるため、内製したハニーゴールド製ダイヤルにブラックロディウム仕上げを施し、ハニーゴールドケースに収めた限定エディションを製作する。


トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ”



フェルディナント・アドルフ・ランゲが一大決心をして、ザクセンの山間の小さな町グラスヒュッテに懐中時計工房を設立したのは、1845年12月7日のこと。それが、ザクセン高級時計産業の起源となりました。それを記憶にとどめるべく、A.ランゲ&ゾーネは“F. A.ランゲへのオマージュ”アニバーサリーコレクションを製作する。このコレクションは、1815 ファミリーの1815ラトラパント・ハニーゴールド、1815フラッハ・ハニーゴールド、トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールドの3モデルで構成され、いずれも製作数限定で展開します。この特別エディションの一つ、50本限定のトゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールドは、2017年に初めてチェーンフュジー機構、トゥールビヨン、クロノグラフ、ラトラパント、永久カレンダーの5種類の複雑機構を初めて1本の腕時計に搭載したトゥールボグラフ・パーペチュアル“プール・ル・メリット”に、特別な装飾仕上げを施したムーブメントと今までになかったダイヤルを収めて登場する。

ハニーゴールドに気品あふれるレリーフ彫り

A.ランゲ&ゾーネは、トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ”のダイヤルを、これまでとはまったく違うアプローチでデザイン・製作した。ブラックロディウム仕上げを施したダイヤルは、直径43ミリのケースと同じ18Kハニーゴールド無垢製。ダークカラーを背景に、浮彫りの数字と目盛りならびにロゴがくっきりと浮かび上がる。これらはダイヤルに取り付けたのではなく、ダイヤル表面から約0.15ミリ隆起しているのだ。このレリーフ彫りによって、ダイヤルが立体的な印象に仕上がり、この時計に独特の魅力を生み出している。

時刻とカレンダーを表示する針、そしてブラックロディウム仕上げのムーンディスクも、ダイヤルと同じハニーゴールドで製作。ムーンディスクの艶々とした表面が少し盛り上がった二つの月を、手彫りの星々が縁取る。ダイヤルとムーンディスクは本社アトリエで製作。だからこそ、創造性に富んだデザインを完璧な形で実現できたのだ。

前代未聞の複雑さ

トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ”のキャリバーL133.1は684個の部品からなり、比類なきほどに複雑な構造のムーブメント。ラトラパント・クロノグラフを制御するコラムホイール、チラネジテンプ、そして手作業による仕上げまで、昔ながらの高級時計製作技法に則っている。この時計にグランド・コンプリケーションと命名しても、決して大げさではない。ただしそれは、A.ランゲ&ゾーネがまだ、この名前を冠する時計を作っていなかったとすればの話。その名前はすでに、2013年に発表され、世界でたった6本しか存在しない合計7つの複雑機構を搭載するマスターピース「グランド・コンプリケーション」に捧げられている。


キャリバーL133.1、ムーブメント側(左):この特別モデルの特徴は、表面に粒状感を持たせた受けとブラックロディウム仕上げのエングレービング。ダイヤル側(右):カレンダー要素をトゥールビヨンを囲むように配置。ムーンディスクはハニーゴールド製。



複雑機構の五重奏

2017年に発表されたトゥールボグラフ・パーペチュアル“プール・ル・メリット”は、その年のSIHHジュネーブサロンで注目を集めた。このような形で5つの複雑機構を融合させた腕時計は、他に例がなかったからだ。A.ランゲ&ゾーネはすでに2005年に、チェーンフュジー機構、トゥールビヨン、そしてラトラパント・クロノグラフを搭載したトゥールボグラフ“プール・ル・メリット”を製作していた。そこに永久カレンダーを加えるだけで、さらに200を超える部品が必要になるだけでなく、それによってムーブメントの動力の流れが根本的に変わるため、新たに設計し直す必要があった。

表示針付き永久カレンダーは、毎月の日数が異なるにもかかわらず2100年まで日付を正しく表示。2100年にカレンダーを修正すれば、再び次の100年間、毎日正しい日付を示し、カレンダーは三つのサブダイヤルで構成されている。12時位置の日付、9時位置の曜日を指す針はハニーゴールド製。月とうるう年は3時位置のサブダイヤルで表示に一つの表示として配置されている。日付針付き日付表示の上半分には、誤差が1日分に累積するのに122.6年かかる高精度のムーンフェイズ表示が見える。

永久カレンダーとラトラパント・クロノグラフを連動させるのは、設計技師たちにとって至難の業だった。なぜなら、クロノグラフ機能の使用中にカレンダー表示が進むときに、機構が干渉し合うことも、振幅の低下によって歩度の安定性を損なうことも、あってはならないからである。ここで、A.ランゲ&ゾーネの高度に複雑なクロノグラフの開発における長年の経験が生かされる。ゴールドプレート仕上げのクロノグラフ針の上に重なるブルースチールのラトラパント針は、クロノグラフ針とは別れて一旦停止し、10時位置のボタンを押せばクロノグラフ針に追いつき再び一緒に動く。このようにして、計時中に何度でもラップタイムをとることができ、サファイアクリスタルのシースルーバックからは、その切替えプロセスを制御する2個のコラムホイールの動きをつぶさに見ることができる。30分積算計を9時位置に配置して、クロノグラフ表示をすべて揃えた。

トゥールビヨンとチェーンフュジー機構を相互に緻密に調整して連係させることにより、物理的に避けられない二つの干渉要因、すなわち重力と徐々に弱まるゼンマイのトルクを補正している。A.ランゲ&ゾーネが、腕時計という小さな空間で初めてチェーンフュジーで動力を伝達することに成功したのは、1994年のこと。フュジーと呼ばれる螺旋状の部品と香箱をチェーンで連結し、テコの原理を巧みに応用してゼンマイの動力を常時一定のトルクでムーブメントに伝える。フュジー(均力車)に組み込まれた遊星歯車の働きにより、ゼンマイを巻き上げる時にも香箱から脱進機に途切れなく動力が伝達される。

アニバーサリーエディションならではの装飾仕上げ

キャリバーL133.1には、職人が腕によりをかけ非常に丹念に仕上げ装飾を施している。それらは、主要なディテールにおいて2017年モデルと異なり、アニバーサリーエディションでは洋銀製の受け部品の表面に粒状感を持たせ、ブランドロゴの刻印にブラックロディウム仕上げを施している。クロノグラフ受けの手彫りの繊細な線もブラックロディウム加工で仕上げている。それによって模様に立体感が生まれ、伝統的な機構に現代的な雰囲気を醸し出している。

工芸技能を駆使した装飾仕上げは、チェーンの線彫り模様にまで至り、表面が曲面になっているトゥールビヨンの受け部分に施したブラックポリッシュは、最高度の技能と根気が要求される表面仕上げ。トゥールビヨンキャリッジを挟んで支持する2個のダイヤモンド受け石は、かつての最高品質クラス1Aの、F. A.ランゲ作の懐中時計を彷彿とさせる。当時のA.ランゲ&ゾーネの最高品質の証しであった、ゴールド製チラネジを付けたテンプ、受け石を固定するビス留め式ゴールドシャトンも使用されている。ムーブメントの仕上げ装飾に花を添えるのは、ハンドエングレービング入りテンプ受けに収まるダイヤモンド受け石。ウォルター・ランゲとギュンター・ブリュームラインは、ブランドを再興すると同時に1Aと呼ばれる当時の最高品質基準を取り入れた。それは製品哲学として、伝統を現代に伝えている。

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